被災を大きくした居住差別

2012-01-07

高齢者、障害者、在日外国人、被差別部落住民などに犠牲の多かった背景には、平常からの居住差別があった。居住差別を受けていたのは、ほかにも母子家庭、独身女性、若いサラリーマン、学生など広範囲にわたる。現在、家主や不動産業者は一般にこれらの人に住居を貸したがらない。だから古いアパートにしか住めない。住宅行政からも差別されている。たとえば、公営住宅への申し込みは、単身者の場合50歳以上の女性、60歳以上の男性で29平方メートル以下の中古住宅にかぎって可能である。

[参考サイト]
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だが、古くて遠くて不便、それでも高倍率という場合が多い。大阪府が平成7年度に募集した220戸の単身住宅にたいして、9710人が応募、44.1倍の倍率であった。東京・新宿区の劣悪な民間アパートに住む60歳のある単身女性は、こう書いている。「この1年間、行政機関その他へ何回も行きましたがだめでした。都営・区営住宅も単身者は1年に1回募集するだけ、公団空き家も申し込んでいますが、ともに100倍です。民間住宅入居も不動産屋は60歳といっただけで断ります。」神戸市の同和対策事業は、「外観的に緑地のほとんどない、住宅棟の間隔が異常に接近した異様な高層住宅群をつくりだすとともに、住宅の内部構造が低質な規格と材料でつくられている」など、他の自治体の改良事業と比べて福祉施設・共用施設の不備、改良住宅自体の劣悪な建築構造等が以前から指摘されていた。それが地震で大被災につながり、住民に大きな犠牲をもたらした。アメリカでは、単身、高齢、障害、女性、母子、マイノリティと、罰せられる。ヨーロッパ諸国も同じである。居住差別を禁止する法律が制定されるべきであろう。