受験生が取り組んでいる勉強の条件

2011-02-17

ドイツの心理学者エビングハウスという人がこんな実験をしました。無意味なアルファベットの羅列を暗記して、時間の経過とともに、どれだけ覚えていることができるか、どれだけ忘れてしまったかの統計を取ります。その結果、20分後には42%忘れ、1時間後には56%忘れた。1日後には74%忘れ、1週間後には77%、そして1ヵ月後には79%も忘れ去ってしまったのです。特にポイントは最初の20分から1日後までの急激な「忘れ度」でしょう。たった1日で7割も記憶が消えています。これはものすごいことですね。しかしこの実験の条件について、ぜひ再確認していただきたいことがあります。この実験は100個の無意味なアルファベットの羅列を、いったんは言えるようになっていることが条件です。おそらくエビングハウスさんは、まず100個の無意味なアルファベットの羅列を懸命に覚え、完璧になったと思った時点で、一度、テストしたはずです。ダメなら「×」をつけ、覚えていなかったものを覚え直し、全部言えるようになった時、実験がスタートするのです。多くの受験生かやっているように、ただ単語を100個眺めて、適当に書いて、読んで、そして勉強を終わりにした状態で、このエビングハウスさんの実験を行ったら、もっと悲惨な結果が出るはずです。なぜならそれは「理解」しただけで「再構築」できていない状態ということですから。さらにこの実験では「無意味なアルファベット」を記憶するという条件なので、受験生が取り組んでいる勉強の条件とは、また違ってきます。たとえば「英単語→日本語訳」の問題には特に意味がないため、もともと繋がりのない2つのことを繋げて記憶することは難しく、忘れる速度は速いです。

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