『7つの習慣』のような息の長いロングセラーは「ロングテール(しっぽの長い)」の「バックリスト」と呼ばれ、出版社にとって一番ありかたい種類の本だ。今さらなんのマーケティングをしなくても、毎年地道に売れ続けるということは、コストはゼロで毎年一定の黒字を運んできてくれるのだから。出版社側としては新刊がチョロチョロッとベストセラーになるより、ロングセラーがいくつかあった方が安定する。『7つの習慣』はオーディオ版でも業界初のミリオンセラーとなり、今でも本と合わせれば、毎年10〜15万部は出ているだろう。コヴィーは、既にビジネス本の著者というよりは、超売れっ子経営コンサルタントという肩書きの方がふさわしいだろう。なにしろ、『タイム』で「アメリカで最も影響力のある25人のリーダー」の一人に選ばれ、フランクリン・コヴィーという自分の会社組織を持ち、リーダー育成学校を経営し、世界中を飛び回っているのだ。ここまで大物になってしまうと、出版社の方も紙の本を継続して出させてもらっているだけでありかたい存在だ。しかも、『7つの習慣』のような自己啓発本は、そのジャンルの金字塔として、他の類似書が注目されれば必ず引き合いに出されてまた売れ出すという一面も持っているし、デジタルカタログで読むより、本を実際に目につくところに置いておくリマインダーの役割もあると思われるので、デジタルカタログを用いた電子書籍の方が安かったとしても、紙の本も売れ続けるだろうと予測される。