「たった10分で手術が終わる埋没法で二重まぶたになりたい!」といってクリニックに来るのは若い子だけとは限らない。半年ほど前に、保険外交員のMさんが、美容整形クリニックにやって来た。年は五一歳。ちょっと太めの彼女は、肩を落とし、具合の悪そうな顔をして診察室に入ってきた。「どうしました?」。医師は思わず聞いてしまった。「はい、若いころのような二重に戻してほしいんです。じつは私、若いころはくっきりした二重で、目もわりとぱっちりしてたんですよ。でも、30代後半からまぶたが重くなってきたかなあと思っていたら、いつのまにかすっかり二重が崩れてしまって…。いまではほとんど一重になっちゃって、職場でも「目つきが悪くなった」とか、「老けたわね」なんていわれるようになって落ち込んでいるんです。仕事の成績も悪くなってきちゃったし…」。見た目は威勢のいい下町のオバちゃんといった感じの女性だが、元気なくそう答えた。