「ブラウスは簡単そうに見えるけれど、体に一番近いところだから着やすくなければ。だから、女の感覚でつくるのです」などと話しながら、体にのせていく。次は上着。女の人に代わって男の裁縫師が出てきて、仮縫いをしてくれた。アームホールなど小さいのに着心地がいい。日本では着物の感覚だから、洋服でも平ったいつくりだったが、このジャケッ卜はまあるい立体的なアームホールで、腕の付け根にそって独特のゆとりがある。それまでに着たこともない鮮やかなオレンジ色のブラウスを身につけて、すっかりお客の気分になった。また一週間したら来てくださいというので出かけて行くと、上着にも全部ステッチがかかって表と裏が一枚の布地のようになっていた。ネックラインにネクタイを通す金具をはめるので、その位置を調べたり、スカートの丈に合わせて上着の着丈をもう一度チェックしたりした。