あるとき、フランスの著名人に会う機会がありました。大学では第二外国語でフランス語を選んだことを話すと、すかさず、「何をリサイタル(暗唱)できるか」と聞かれました。ヨーロッパでは、語学を学ぶということは、まず名文の暗唱なのだとあらためて知りました。私の大学時代には虫くい問題もでましたし、また私は本来なまけものですから、文法を細かく覚えるかわりに、いつもテキストは一冊まるごと暗唱していたのです。そうすれば、単語な動詞の変化などの文法も一緒くたに頭にたたきこめます。そのおかげで、スタンダールの『恋愛論』やサン・テグジュペリの『星の王子様』などをフランス語で暗唱してみせました。それから私はそのフランスの方々に信用を得たのです。