構造費の一割や二割は変わってくることも

2011-10-13

最初の柱を五〇センチ角に決めたとする。これは構造計算する人の経験で決める。ある人は1メートルにするかもしれない。経験のシビアな人なら六十センチかも……。とにかく仮定で柱の断面を決めるわけである。それから梁をどの方向にかければいいか。あるいはどの壁を耐力壁にしたらいいのか。あるいは、どの壁を耐力壁からはずせばいいか。これが構造計画である。建物には、建物の剛さの中心である剛心と、水平力の中心である重心がある。この二つが一致していればいいが、ずれているとそこで曲げようとするモーメントが発生する。もっとも、実際にマンションが回転するわけではないが、ねじれが発生すると構造物が変形したり、極端には破壊されることもある。とくに地震のような強い力が働くとそれが端的にあらわれるのである。これを構造計画のときにスムースになくせるのは経験を積んだ人なのだ。ところが、意外にこの計算を間違ったマンションが多い。もちろん通常であれば間違ったところで倒壊するわけではない。それを修正しようとすれば一部の柱を太くしたりして構造躯体が大きくなり、これに比例してコンクリートもたくさん必要となる。コロンブスの卵ではないが、経験の積んだ人だと意外なところに梁をいれて解消することもあって驚かされることがある。実は、たったこれだけで構造費の一割や二割は変わってくることもあるのだ。ここでコストダウンできるかどうかは設計屋にすべてかかっているといえる。