2000年のアパレル小売市場10兆円割れ。日本アパレル産業協会は2002年4月にこんな数字を発表した、10兆円の大台を割り込んだ原囚としてあげられているのは「消費低迷」だ。しかし、業績不振時に毎度おまじないのよう唱えられるこの説は、本当に事実を裏づけているのだろうか。確かに不況には違いない。だが、「消費低迷」にはこんな文字を付け加えたほうが良さそうだ。すなわち、「価値のないモノに対する消費低迷」である。不況とはいえ、売れるものは売れているし、それも低価格の商品ばかりが売れているわけではない。ファッション業界では、低価格を1つのウリにしてきたユニクロが失速する方で、決して価格が安いとはいえないセレクトショップのユナイテッドアローズは、2003年3月期の業績見通しを3度も上方修正し、2ケタの増収増益を見込んでいる。何より、海外高級ブランドの隆盛を見れば、単なる「消費低迷」でないことは明らかだ。景気が冷えているだけに、低価格は武器には違いないが、それだけでは消費者は動かせない。