受注産業として

2011-05-02

印刷業は従来、受注産業という特性から、顧客との密なつながりの中で、長年、「御用聞き」というスタイルで事業を展開してきた。待ちの姿勢、受け身の姿勢で、指示待ちにどっぷりとつかってきたといえるであろう。少数の固定客とのつながりや印刷会社間での仕事の融通という体制が出来上がっていたため、他の業界では重要視されているマーケティングや営業に注力することなく、「仕事が来る」のを待っているだけだったのである。確かに、経済が右肩上がりで成長している時代であれば、印刷会社は顧客から指示されたこと、要求されたことをこなしていくというスタイルで、仕事は成立してきた。しかし、そういう姿勢では立ちいかなくなっているのが現状なのである。単に待っているだけでは、以前のように、仕事が向こうからやってくるわけではなくなっているのだ。そこで、従来のように顧客の信頼を積み重ねていくことにプラスして、技術革新や人材育成でより高度な品質を整備し、積極的に顧客に提案することで仕事を創り出していく体質の強化が、時代の要請となってきている。要するに、今後、印刷会社に求められるのは、顧客の二ーズを確実につかんで、それを利益が出るビジネスへと結びつけていくことである。IT化か進んだ現在では、顧客側のビジネススタイルが以前とは大きく変化してきている。多くの企業がムラやムダをできる限り排除して、必要な物を必要なときに必要なだけ調達し、最適なビジネスのあり方を目指す形へとシフトチェンジを図っているのである。その中において、各企業と良好なビジネスパートナーとしての関係を築いていくには、顧客が求める最適な提案に応え得る体制を作り上げていくことであるといえる。これは、印刷会社と顧客企業との間においても同じことである。これからの印刷会社が提供すべきは、「ソリューションービジネス」である。企画から商品・サービスの開発、生産、流通、さらには効果の測定やアフターフォローまで、一貫した体制を作り上げることが必要である。そのためには、顧客がその印刷物をどのように活用していくのか、どうすれば顧客が抱えている課題の解決に結びつくプランを提案できるかといった視点が欠かせない。もちろん、顧客にとってベストな提案ができるように、個々の営業担当者が知識やスキルを身につける努力をするのは当然である。しかし、ビジネスモデルの再構築は、営業担当者だけで達成できるものではない。全社を挙げて、顧客に応えられる体制作りを図る姿勢が重要である。常に視線が顧客のほうを向いていてこそ、ベストパートナーとして、顧客企業と良好な関係を築ける印刷会社になれるのである。

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